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ホントに隠れた名盤だと思う、ルー・リードの『セット・ザ・トワイライト・リーリング』

2011年01月17日 10:37

album-set-the-twilight-reeling.jpg『Set The Twilight Reeling』
(1996年リリース)

1.Egg Cream
2.NYC Man
3.Finish Line
4.Trade In
5.Hang On To Your Emotions
6.Sex With Your Parents
7.Hooky Wooky
8.The Proposition
9.Adventurer
10.Riptide
11.Set The Twilight Reeling



【このアルバムを一言で語るなら「帯のコピーに偽りあり」】

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あーあ、ハマリだしたら止まらないもんで、通勤時はポータブル・プレイヤーでルー・リードやホークウィンドなんかを千本ノック状態にして聴いてます。

 ルー・リード名言集っつーのがあったら読んでみてー偏屈な面や、いかがわしい面とか、ホント、イメージ先行型のミュージシャンですが、創作活動に関しては真摯です。
んで、時期毎に取り組み方が異なり、作品のセールスより影響力のが強ぇです。
が、そんな彼にもヒット作が出ました。
1989年発表の『ニューヨーク』です。
一応、1972年に『トランスフォーマー』がヒットしてますが、ありゃ半分デイヴィッド・ボウイの作品とも受け取れます。
実際、「ワイルド・サイドを歩け」やViciousなんかが人気みてーですが、去年スーザン・ボイルが権利関係でどうたらこうたらになったPerfect Dayはチャリティーで大御所が集まってレコーディングした際に注目されたっつー。
これに対し「当時、良い曲を書いたと思ったら評価されず、こうやって今更評価されるのは奇妙な気分だ」みてーなことを言っとりました。
あと、Satellite Of Loveはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの『ローデッド』製作時にカットされたもんをお蔵出しリアレンジしたもんで、ボウイ効果による名曲と思っとるファンもいると考えると、純粋なヒット作は『ニューヨーク』なわけです。

 さて、『ニューヨーク』発表後から(個人的に)ルーおぢさんの快進撃です。
親友を立て続けに癌で失った上、それを題材にした内省的なコンセプト、評論家諸氏のレビューで負のイメージがまとわりついとる『マジック・アンド・ロス』ですが、実際聴くと秀作です。廉価盤出るまで手が出なかったってば。
ただ、昔から「フツーなら同路線でヒット狙うでしょ」っつー思考はねーよーです。
んで、内省的な『マジック・アンド・ロス』の後にリリースされたのが本作です。

 こりは対訳付きの国内盤をオススメします。中古だとワンコインで買えます。
歌詞が文学的かつちょっとした皮肉なんかも絡めてる曲が多いんで。
しかーし!
帯の「黄昏のワイルドサイド(ニューヨーク)にて」ってコピーはどーよっつー。
一見、枯れておとなしめの内容を予想しちまいますが、かなり刺激的です。

 一曲目のEgg Creamのギターからイカレてます。
高音を潰してファズで歪ませたよーな音から、ストーナー・ロックっぺーですが、ルー・リードの歌が乗ると、良い意味で「ロック・ミュージックの軽薄さ」が堪能できる名曲です。
気づくと「ユースクリーム、アイスクリーム♪」と口ずさんでますから。
二曲目のNYC Manは本人監修のベスト・アルバムのタイトルにも使われたオサレな曲ですが、シェイクスピアの引用も交え、最後は「そんなわけで、この街じゃあっさり死んじゃうちんけな存在なわけだ」みてーに皮肉で終わります。この「俺は瞬きしたら消えて無くなる存在」っつー一言が、NY生まれのNY育ち故の「NYC、愛してるよ」を集約しとると思います。
日本人の僕にゃわからんすもん。
他、Sex With Your Parents (Motherfucker) Part IIじゃ、おぢさん曰く「俺が世界初のラッパーだ」と、ヒップ・ホップがポップ・ミュージックのメイン・ストリームに登場した頃に言ったらしいですが、ポエトリー・リーディングとラップと唯一無二の耳にまとわりつく声をごちゃ混ぜにしたよーな楽しみがあります。
ルー・リードの声質やリズムが生理的に苦手なしとには拷問な曲です。
大体、ブックレットを開くと耳無し芳一状態に顔面文字だらけのコラージュ写真が拝めます。(全体的にちょい電波系。)
Sagmeister_lou_reed_poster.jpg

 本作は傑作じゃあねーかもしれんですが、個人的にご乱心『メタル・マシン・ミュージック』に端を発する「ジミ・ヘンドリクスとは異なるベクトルでノイズを曲の一部に」っつー試みの完成形ちっくな曲がいくつかあります。次作への橋渡しです。
Riptideのモジュレーターを使った変態ギター音は『レイヴン』で進歩してた記憶があります。
全体的に、流し聴きして「ああ、確かに”黄昏のワイルド・サイドにて”だな」っつー印象を受けとりますと、最後のタイトル・トラックでやられます。
メタルというか、曲形式がハッキリしたハードロック的な展開なんですね。
こういったドラマティックな曲で滑らねーのは凄いと思うんです。
よく、ルー・リード=歌・ギター下手、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの中心人物だったから有り難がられてるっつー先入観持っとるしといますけど、歌唱法を変えず、テクニカルなギターも登場しねーのにキッチリまとめてるのはどーよ、と。

 僕が本作を重要だと思う理由の一つに、以後ジャケがヤバくなってくからです。
『エクスタシー』の帯に「黄昏のワイルド・サイドにて」ってつけろよっつー。
実際射精した瞬間か知りませんが、このジャケをルーおぢさんは「エレガントなジャケットだ」と語っております。
lou reed ecstasy

 今世紀に入り、ガレージ・ロックと呼ばれる1960年代中期から後期にかけて誕生した、チープかつ若者ちっくなジャンルがもてはやされるよーになりました。
んで、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを引き合いに出されてヒットしたストロークスがデビューした直後、『レイヴン』が発売されることになりました。
某メガ・ストアでは「ストロークスの父親的存在。元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リード最新作!ルーツを聴け!」みてーなプッシュがなされました。
まあ、デイヴィッド・ボウイもゲスト参加しとりますし、ストロークスのファンも気に入る作風だと予想したんでしょー。
が、蓋を開けたら一曲目が疾走型ハードロック。
しかも歌詞が「そこらのガキの武勇伝じゃねえぞ、すげー刺激的なお話!エドガー・アラン・ポーだ!」って、イメージ先行型のロック・ファンは「??」だったろっつー。
実際、ネット通販が発展する前は、レコ屋と本屋にたむろするのが楽しみの一つだったんで、客を観察しました。
ほいだら、試聴して買ったしとは皆無でした。逆に、確か期間限定でストロークスの1stが特別低価格だったんで、そっちを手にしてレジに向かったしとのが多かった記憶があります。
更に、サングラスかけて不敵に笑う還暦がオープンカーに乗っとるジャケなんですが、中を広げるとレザー・コート一枚でバトル・ソード握ってる写真あり。
そーです。コートのボタン外したらチンポがベローンで、片手に剣ってどんな変態よっつー。

 お話を『セット・ザ・トワイライト・リーリング』に戻しまして、巷じゃ上述の『エクスタシー』、『レイヴン』のが評価が高いというか、紹介・レビューしとるしとが多いですが、本作を聴いた後で上記二作を聴くと違った魅力が見えてくるはずです。
んなわけで、映画の主題歌にもなったらしい(でもテイクやメンバーは別だとか。)Egg Creamを聴いてみましょー。

<Lou Reed - Egg Cream>


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