FC2ブログ

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

天使か悪魔か?トミー・ボーリンの『魔性の眼』

2011年01月13日 22:41

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、禁煙して二ヶ月経過しました。
禁煙から来る抑鬱やらは大分マシになりましたが、プライベートで心身ともに、ついでに懐具合も年明け早々ヤバくなりまして、しばし酒を止めてーですが無理だなっつー。はい。
んなわけで、しばしくだらねーお話を思いつくテンションもなく、手持ちのCDの紹介、レビューでお茶を濁してーと思います。
酒もそーですが、こーゆー時、音楽は困ったときに助けてくれる親友みてーです。
今日の一枚はこりです。

Private EyesPrivate Eyes/Tommy Bolin
(1976リリース)


1.Bustin' Out For Rosey
2.Sweet Burgundy
3.Post Toastee
4.Shake The Devil
5.Gypsy Soul
6.Someday Will Bring Our Love Home
7.Hello Agian
8.You Told Me That You Loved Me




【この作品を一言で語るなら「天使か悪魔か」】


 トミー・ボーリン。
僕がネットで色々書き始めた頃からたまに紹介してきましたが、1980年代までの評価に比べたら大分マシになったものの、未だ正当な評価を得てねーギタリストっつーかミュージシャンです。
で、過去にディープ・パープル時代のライブ盤(不名誉な演奏を収録した『ラスト・コンサート』ではなく、海賊盤を正規にリリースしたもの。)や、傑作『ティーザー』及び、それらに収録の曲は度々紹介してきました。
teaser.jpg

「ビミョーな作品を紹介する」っつー手前、本作を紹介すんのは初めてじゃねーでしょーかね。

 このしと、天才です。

25歳でドラッグのオーヴァードーズで変死するくれー薬物、特にヘロインに依存してたんで、生きてても急激に衰えたかもしらんですが。
ただ、狂気と才能と同じよーに不毛な論議が交わされがちですが、薬物の影響で素晴らしい作品ができる・できないっつーのを考えさせられるしとです。
tommy bolin02
 薬物は何も生み出さねーです。
才能がねー奴ぁどーやってもダミだと思います。
が、僕がネーチャンのまんこに擦りつけると喜ばれそうな髭をさすりながら考えちゃうのは、依存体質っつーのは創作にも依存しちゃうんです。
まあ、才能がねー僕が書くのもおこがましいですが、酔いつぶれるまで酒を飲んでも、なんかひらめいた時の過剰な没頭具合は自分でも怖くなります。
朝六時から始めて、気づいたら夜十一時で、飯も食わねーっつー。ただ、灰皿てんこもりになってましたけどね。
んで、三日くれーすると疲労感が湧いてくるんですが、そこまで没頭したのにろくなもんが出来てねーっつー。
こーゆーとき、僕ぁ「金はいらん。い、いや、辛気くさい顔しなくていいくらいは欲しいな。そ、それより芸の才能が欲しい」と、どぶ川沿いの向こう岸を黄昏のワイルドサイドなーんて感じで眺める気分で、音源とか文章を消します。
ただ、才能があるしとは、その過剰さから完璧を求めたり高クォリティなもんを完成させる傾向があると思います。
あと、黄金期のジャズマンに顕著なんですが、耳かき一杯にみたねー量でも死にかねねーハード・ドラッグで中毒より生きるか死ぬかっつータイト・ロープを渡ってるしととかね。
そのスリルを作品に反映させたり。
まあ、要はダメ人間なんですが、優れたゲージツ作品を生み出すから有り難がられるわけです。
トミー・ボーリンも、そういった過剰型で向こう見ずな系統の天才だったかと。

 トミー・ボーリンが日本で真っ当に評価されるよーになったのは、1990年代に入り、サンプラーが手軽になったクラブ・ミュージック・シーンでサンプリングのネタに重宝されたビリー・コブハムによる1973年発表『スペクトラム』が話題になってからです。
更に、この作品をジェフ・ベックが大層気に入り、収録曲をカヴァーするだけじゃなく、作風まで真似たっつー逸話が僕なんかの世代にも知られるよーになりました。
17歳でプロとして出発したのもすげーですが、ヤン・ハマーのキチガイじみたキーボードと対等に渡り合ってる22歳の若造っつー。
で、日本で評価されなかった理由はいくつかあります。

◆1975年に一旦解散したディープ・パープルの当時最後の来日にて、粗悪なヘロインをポンプし、まともに弾けなかった。
◆上記に加え、前任のリッチー・ブラックモアが同時期に結成したレインボーが日本で人気を博した。
◆ディープ・パープルに一枚参加したスタジオ作『カム・テイスト・ザ・バンド』が煮え切らなかった。
◆1990年代中期まで傑作である1stソロ・アルバム『ティーザー』が未CD化。ロックに分類するには大人びている上、音質が悪い本作『魔性の眼』が国内盤でCD化されていた。(当時は気軽に輸入盤が買えず、通販でも国内盤より高かった。)


良くも悪くもハードロック・バンドであるディープ・パープルに加入した事実が、日本で一番知られているため、発表当時は『炎のギタリスト』っつー邦題だった『ティーザー』がCD化されたのはモトリー・クルーのベーシスト、ニッキー・シックスによる発言が一役かったかもしらんです。実際、タイトル・トラックのTeaserをカヴァーしてましたし。

(『ティーザー』のアナログ盤を指し)トミー(・ボーリン)の作ったものはどれも素晴らしいね。最高だよ。
-ニッキー・シックス


こり、雑誌の「お気に入りレコード見せて語ってください」な企画で発言した記憶があります。

 ディープ・パープルへの加入とほぼ同時期に発表した『ティーザー』には、当時から、もしくは後にビッグネームなるゲスト陣が参加しとります。
こりは彼の才能が高く評価されとった証拠だと思います。
んで、R&B寄りになってったバンドの曲に「あの曲は指一本で弾いた」なんて嫌みを言ってた、偏屈な前任者リッチー・ブラックモアも「妥当な人選じゃないか?トミーは俺よりも巧いジャズが弾ける」と素直に認めてた発言をしとります。

 かくして、代表曲の多くを生み出したリッチー・ブラックモア在籍時は、ブラックモアの顔色をうかがいながら演奏しとったメンバーが和気藹々と楽しめるよーになりました。
現存しとる映像観ましても、『ティーザー』のジャケットのごとくムード・メーカーな雰囲気です。
ステージングも好ましいです。
日本でリッチー・ブラックモアと言えばな評論家、酒井康が意外にもトミー・ボーリンを高く評価しとりまして、来日時の記者会見で束ねた髪をレインボー・カラーにしていたのがとてもクールで格好良いと思ったと自著で綴っております。(とはいえ、ゲイ・セクシャルではなかったようだ。)

 トミー・ボーリンの調子がよかった頃のライブ盤を聴きますと「いやー、ディープ・パープルってやっぱ懐深いなぁ」と思えるもんです。
が、中身も確かめず錠剤を飲み込むなど、ドラッグに対する姿勢からバンドは上手く機能しなくなり解散にいたりました。
リッチー・ブラックモアっつー稀代の偏屈者がいても解散しなかったのに、結成当初からのメンバーもお手上げっつーのはやっぱ筋金入りだったんだろーなぁ、と。
まさに「天使か?それとも悪魔なのか?」です。
ただ、ブルースからジャズまで弾けるギターの腕前、高い歌唱力、ジャンルにとらわれない作曲能力等々から、グレン・ヒューズ、デイヴィッド・カヴァーデイルから「一緒に新しいバンドをやろう」とラブコールをおくられ、解散後も安泰に思えました。
tommy bolin01

 日本じゃ、くそったれなライブをしてくれたおかげで信じがたいですが、本国で二作目のソロにあたる本作を大手レコード会社と契約して製作します。しかもギャラは前払いで。
ほいだら、ギャラ以前に製作費までも関係者に持ってかれるっつー。

結果、どー捻出したか知りませんが、低予算で本作は製作されました。
なので、音質が良かったら不朽の名作になりえたのに、そこらのロック・バンドな音質です。
各曲が素晴らしいんで、テメーのことじゃねーのに悔しくてたまらねーっつー。
ただ、ギャラより才能を評価っつーわけで、有名どころのミュージシャンが参加してたり、コーラスやホーン・セクションもちゃんとおります。
個人的に、「ボサノヴァ好きなのかなぁ?」と『ティーザー』でも思いましたが、本作でもGypsy Soulで見事なギターと歌を披露しとります。
音質以外に、フュージョン調なフレーズを弾く曲で、ギターを弾くしとなら「嗚呼、無理せんでも...」と思う箇所がありますが、昨今約1,000円ちょいで買えるなら名作だな、と。

 念のため書いときますが、本作発表後のツアーでジェフ・ベックの前座を務めつつ、変死しちったっつー判官贔屓な想いは置いといて、好きなしとはホント好きなギタリストです。
話戻りますが、曲だけじゃなく、機材なんかにも「早熟すぎだよ」っつー過剰な拘りをみせてます。(当時トミー・ボーリンが使用、もしくは特注していたエフェクターが昨今発売されている。)
あと、皮肉にも「使わないから」とギターのセンター・ピックアップを撤去したもんも弾いてたリッチー・ブラックモアは「(フェンダーのストラトキャスターで)センターを見事に弾けるのはジミ・ヘンドリクスだけだね」と語っておりましたが、トミー・ボーリンもセンター中心に弾いてたっつー。

 ブルースちっくなバンド、ゼファーから、ジャズっぽいジェイムス・ギャングに加入し、気づいたらマイルス・デイヴィスのバンドでギターのジョン・マクラフリンに気に入られたビリー・コブハムのソロ作に抜擢され、日本においてはディープ・パープル加入がピークと認識されとるトミー・ボーリン。
前任者のリッチー・ブラックモアをイメージさせる曲があるため『カム・テイスト・ザ・バンド』は中途半端ですが、たった数年で新しいサウンドを目指し続けた点は天才と呼んでも差し支えねーだろ、と。
ただし、恋人まで愛想をつかすほどドラッグに耽溺して他界したことが、「巧者と呼ばれても稀代のミューシャンと呼ばれない」理由かと。
1990年代中期以降、遺族がブートレッグ音源等の権利を取得して、正規にトミー・ボーリンのライブ音源等をリリースしましたが、もっときっちりした体裁にしてくれたらなぁと思います。
んなわけで、一曲聴いてみましょー

<Gypsy Soul/Tommy Bolin>

にほんブログ村 音楽ブログ CDレビューへ
にほんブログ村
関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://soulkitchen03.blog130.fc2.com/tb.php/530-54f19f34
    この記事へのトラックバック



    QLOOKアクセス解析
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。