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生と死の幻想

2010年11月21日 21:10

deatth and flower『生と死の幻想』/キース・ジャレット
1975年リリース

1.生と死の幻想

2.祈り

3.グレート・バード




 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、禁煙すると色々嗜好が変わるもんですが、僕の音に対する知覚の変化。
喫煙期は、音を自分から拾いに行くよーな聴き方でしょーか。
んで、禁煙すると、鳴ってる音が自然と中に入ってくるよーに感じます。

なので、結構「へっ、すかしやがって」な作品を聴く機会が多くなります。

 キース・ジャレットの名前を初めて見たのは、マイルス・デイヴィスのメンバーとしてで、生ピアノは弾いてなかったです。
んで、数年後、彼の『The Melody At Night,With You』を薦められました。
こりが素晴らしかった。
「なんだ、生粋のピアニストだったのか」と。
こりはね、ジャズ聴かねーしとにもオススメです。
一見、スカした頭じゃなく亀頭で物事考えるよーな野郎(俺か?)がBGMにしそーですがそーじゃない。
この作品、慢性疲労症候群っつー、原因不明の疲労で話すことすら出来なくなる難病を乗り越えて自宅でレコーディングしたそーです。
治癒率は限りなく低く、日本じゃ重度の鬱病なんかと誤診されることが多々あるそーです。
根治したかは不明ですが、現在も現役でツアーも行ってますから奇跡的な回復だったんでしょー。
んで、ビョーキの症状が症状だけに自宅で録音されたわけなんですが、ピアノがまた弾けるまで回復するのを支えたカミさんに作品を捧げてます。

 甘ったるい『The Melody At Night,With You』の次に、僕が彼の作品に手を出したのが『生と死の幻想』です。
いやね、輸入盤で買いましたから、衝動買いです。
原題がDeath And The Flowerでして、ジャケットの絵もあり「儚く美しい作品かも知れない」と期待したんですね。

これ、ジャズじゃなくプログレッシヴ・ロックじゃねーか?

第一印象です。てか、ロック野郎の立ち位置から聴いての率直な感想。
元々、プログレッシヴ・ロック・バンドのいくつかはジャズの即興演奏なんかに強い影響を受けてますが、もうね、22分を超える一曲目が濃すぎるっつー。
出だしの、パーカッションとフルートのセクションは、キング・クリムゾンの「太陽と戦慄パートⅠ」やドアーズのThe Celebration Of The Lizardを想起させます。

 このアルバムもとい、タイトル曲についてキース・ジャレットは「僕たちは常々生まれてから死ぬまでの線上にいると思いこんでいるが、実は日々生まれては死んでいるのが人生で、その中で僕たちは花のように咲き誇ることを心がけるべきだ」みてーにコメントしとります。
流石、八歳でデビューした天才肌っつーか、当時三十路手前とは思えねーコメントです。
されとて、この大作をどー解釈するかは聴き手によって様々だと思います。

 初回はキース・ジャレットやベースのチャーリー・ヘイデンなんかの演奏が「向こう側に行ってますな」と感じちゃうんですが、何度か聴いてると、すげー緻密に練られてることに気づきます。
ここらが、短絡的に小難しいことやって「ゲージツです」っつー輩が超えられねー高い壁じゃねーですかね。
この曲を単に不気味で退屈なもんにしてねーのはテナー・サックスのデューイ・レッドマンの存在です。
彼の演奏は殆どぶれねーです。まともなメロディを吹いてます。
まるで、ネガティヴ、もしくは混沌とした人生に咲く一輪の花みてーです。
んで、それまで混沌としつつ、後半約四分の全パートによる畳みかけるよーな演奏と展開が圧巻でして、これ聴いちゃうと長いのに「また聴こうかな」と思っちゃうっつー。

 二曲目である「祈り」もかなりピリピリした演奏が楽しめるんですが、一曲目で嬲り回してくれたおかげで、巧者の提供による憩いの時間っつー感じです。
ラストの「グレート・バード」はラテン調の曲ですが、ラストがちょっと惜しいかな、と。
とはいえ、ジャズ・ファンよりロック・ファンにウケが良さそうな内容だと思います。
この感想は今でも変わってねーです。

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