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スカム・フィクション7~クリトリス・イク~

2010年10月22日 12:43

【九割実話だろ。】


 白かった。

「一晩でのお」

一夜にして、舞い降りた銀が一面を白くしていた。(陳腐な表現だな。)

「寒い寒い」

老人煩苦は、寝よだれでシミだらけの布団の中へ戻った。
吐く息も白かった。
出す液も白かった。(汚い朝だなぁ。)
この孤独な老人はこの季節になると、青年時代を思い返してはニヤついていた。(感傷に浸れよ。)

「あの年は中々じゃった」

煩苦はクリトリス・イクやクリトリスといった、世間が浮かれる時期がに様々な思い出があった。
クリトリス・イクとは膣よりもクリトリスでオルガスムに達しやすい女性のための記念日で、クリトリスは男性がクリトリスを執拗に責める記念日のことである。

 煩苦がまだ二十代前半の頃だったろうか。
センズリストであるにもかかわらず恋人がいた。(ちゃっかりしてんなぁ。)
煩苦は、彼女の美貌とそれを鼻にかけない天真爛漫さを愛していた。(意外とまともな恋愛だな。)
ある年のクリトリスの季節。
ふぐりに男の優しさは溢れんばかりであったが、懐は寂しいかぎりだった。
そうとはいえ、クリトリスを二人で過ごさなければ彼女も悲しむだろう。
煩苦はフランス帰りのパティシエが開いていた店へケーキを予約注文し、クリトリス・プレゼントも用意した。
煩苦が料理を作り、ささやかなクリトリスを過ごすことにした。

 ある日、彼女の口から煩苦を狼狽させる一言が漏れた。

「たまに、煩苦の心の中に、掴み所がなくて、空っぽなのか私が理解できないのか、よくわからないものを感じるの」(つまり、頭おかしいってことだな。うん、わかるぞ。)

煩苦は言葉が出なかった。
たまに、結婚し子供を授かる平凡な家庭を夢想することがあったが、もしかしたら、その子は自分を父親ではなく、得体の知れない存在と思うかも知れないという予感を漠然と裡に秘めていたからだ。

「一緒にいて楽しいけど、ずっと楽しいままでいられない気がする」

 ケーキを受け取りに行く日、煩苦一人だった。
店主はケーキをラッピングすると、店の奥から小瓶のシャンパンを持ってきた。

「毎度ありがとうございます。大したものじゃないけど、あの綺麗な人と飲んでくださいね」(二人で受け取りに来ない時点で空気読めよ。)

 ドアを開けると部屋は薄暗く、テーブルの上にケーキを置くと、シャンパンをラッパ飲みしながら割り箸でケーキをカットもせず、むたむたと食い始めた。(汚い食い方だな。たまげたなぁ。)
ふと、携帯電話をみると、メールが届いていた。
未練がましく送ったメールへの返信だった。

「通じない人。会いたいけど会いたくない。私は一生、一人でいる!」

煩苦は便器の周りに小便をまき散らすほど酩酊し、大食いがたたってかついでに嘔吐した。(生々しいクリスマスですね。)
気を失うように眠り込んでしまったか、深夜に激しい頭痛とともに起き上がると煩苦は呟いた。

「...。これ、お話のネタにできるんじゃねえか?」(だからダメなんだよ。)

 翌年から、煩苦はクリトリスになると、ロースト・チキン、缶ビール、ケーキをそれぞれ二つ買って帰宅し、テーブルに並べると友人に電話をかけるという奇行におよぶようになった。
二人分の食事を用意し、敢えてルサンチマンに駆られた孤独な男という演出をした上で電話をかけるのだ。
こうすることによって、言葉に血が通うと思った。

「もしもし?」

最初に出たのは男友達だった。

「あー、サンタですけどね。おたくで買ったトナカイ、死んでたよ」

「おい、ちょっと勘弁してくれよ!」

「電流流しても鞭で叩いてもぴくりともしねえ。でもな、俺は発見したぞ。足をソリにボルトで固定してやがったな?」

「ほんと、切るぞ」

「あ、ちょっと待っておくれよオマエさん!もっと面白い話がな...」

プツッ!ツー、ツー...

次に女友達に架電した。彼女に現在恋人がいないことを確認してのことだった。(意外と常識的ないやがらせだな。)

「留守番電話サービスに接続します」

「フンッ!そうきたか。じゃあ、一曲歌ってやろうじゃないの」

煩苦は酩酊した状態で「ドナドナ」を歌って吹き込んだのだった。
かくして、これに手応えを感じた煩苦は恒例行事にすることにしたのだった。(どんな手応えだよ。)

 ある年のこと。うっかり失敗し、人間関係を壊してしまった。
架電した相手は恋人も煩苦のことを知っている、冗談の通じる娘だった。
しかし、ちょうどまぐわっている最中だったが、娘の恋人が電話に出て険悪な空気が流れた。
それ以来、他人を巻き込まない奇行を考えるようになった。(最初から人に迷惑かけんなよ。)

 例年より寒かったある年は、「極寒センズリ耐久レース」と銘打ち、暖房を切って全裸になり、二時間にも及ぶセンズリを達成した。
順位は一人中一位。これが五分ほどであったら、一位であっても面白くもなんともないと思い、限界に挑んだのだった。(誰かなんとかしてやってくれ。)
額に汗を滲ませながら、白い液と息を出しながら煩苦は呟いた。

「よし、お話のネタにできる内容だった」


 老人煩苦は、餌を食べ終え布団に潜り込んできた飼い猫に、センズリストの生き様について話して聞かせたのだった。

「ふふ、ワシも中々のセンズリストじゃろう?」

見ると飼い猫は煩苦の顎に前脚を一本乗せ眠りに就いていた。

「他の話はまたしてやろう。どれ、ワシももう一眠りするか」

老人煩苦は冷たくなった手をチンポで温めながらまどろんでいった。
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