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ライトからコアまで映画『シャイン・ア・ライト』

2010年09月17日 16:37

【紹介する作品の性質上、ネタバレありありです。】

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、職場で質問されると答えに困るもの。

「音楽やってるんですか?」

「演劇やってるんですか?」


えー、僕の風貌や、小咄をするときに独り芝居っぽく話すことが原因です。
まさか「チンポまんこ連呼する駄文書いてます」とは答えられません。(意外と常識的だな。)
でも、歳も夢見る若造でもなく、てか、テメーのいきがりが原因で二十代前半を棒に振ったわけですが、ブランクありすぎてアクティブにやる気がねーんで「音楽やってます」とは答えねーです。

 アクティブにやる気はねーと書きつつ、催し物の話が来れば別でして、現在は十二年以上つき合いがある親友のミックと一緒じゃなきゃなんもしねーですが。
一応、去年の八月にイベントに出る予定だったんですが、イベント自体が消滅しました。
で、今思い返すと、ありゃ段取り頑張ったなぁ、と。
二人で曲作って「ここはこうした方がええんじゃねーの?」とかやってる時間もねーんで、全曲カヴァー。
でも、単なるカヴァーじゃなくコンセプトに基づいたもんですが。
手始めにフェイス・ノー・モアの曲をスタジオで合わせてみたんですが、そんときの僕ぁギターをアンプに直挿しの貧弱な音。
対するミックは、得意なキーより結構高いはずなのに、見事に歌ってのけまして「これは本気でやるしかねーな」とテンション上がりました。

 僕ぁギターが下手です。
なので、ギタリストじゃなくパフォーマーを自称しとります。
巧い奴なら仰山いるわけで、記憶に残してもらうにはみてくれや身のこなしも重要だと思ってます。
こり、ミック・ジャガーの「ロックっつーのはだな、軽薄でアホなことにどんだけ真剣になれるかだ」みてーな発言に影響を受け取ります。
ただ、僕ぁオサレさんじゃなくてもですね、既存のロック・スターの服装を真似ても痛々しいことくれーわかるんで、「無国籍な顔をしている」と言われるのを逆手にとったもんをチョイスしました。
悪く言えばカルロス・サンタナ、よく言えばどっかのテロリストな風貌っつー。
てかなぁ、手織りコットンのジャケット高かったぜぇ。ま、着れば着るほど自分なりの着こなしができる逸品ですが。
対するミックも、ミック・ジャガーに体型が似てるからそー呼ばれてるだけで、僕とは違ったとっからステージングや、ま、奴は元々オサレさんですから服装に拘るんで、僕だけジーンズにTシャツはイカンと。
他、生ドラムとベースがいねーんで、ノートPCにプログラミングしたオケだけじゃ音圧稼げねーとも思い、ドラム・マシンをMIDI同期させてロック・ドラム以外のパーカッションはそっちに任せようかとか色々考えました。
結構、徹夜しましたが楽しかったです。エルトン・ジョンを耳コピして色々勉強になりましたし。

 あれから一年、「プロ中のプロはどーやってステージに挑むのか?」っつー映画作品を観ました。(相変わらず本題まで長いな。)
ローリング・ストーンズの2006年ニューヨークはビーコン・シアターでのステージを収めた『シャイン・ア・ライト』です。
何故、映画作品?
監督がマーティン・スコセッシだからです。ついでにストーンズの高音質・高画質のライブDVDの作りながら、そこはかとなく映画ちっくなシーンがちりばめられてんで、映画作品と呼んだ方がええのかな、と。
SAL00.jpg

 僕がマーティン・スコセッシのファンになったのは、『タクシー・ドライバー』でして、あれに始まるロバート・デ・ニーロとのコンビ作は名作揃いだと思っとります。
『キング・オブ・コメディ』、『レイジング・ブル』、『ニューヨーク・ニューヨーク』とか。
で、『レイジング・ブル』みてーに実在の人物をテーマにしたドキュメンタリー風(でも本人の映像等は登場しない。)のもええですが、やっぱガチでドキュメンタリーな『ラスト・ワルツ』が最高傑作なわけで、当人らを撮影した作品もええです。
『シャイン・ア・ライト』は『ラスト・ワルツ』に似た手法で撮られてます。

 冒頭、ミック・ジャガーとマーティン・スコセッシが険悪なムードです。
なんでも、当初ミック・ジャガーは屋外で数万人規模のステージを希望したそーですが、監督は「それじゃバンドの魅力を十分に撮れない」とビーコン・シアターへの変更を主張して対立したからだそーです。
このハコはキャパシティが二千人程度。ストーンズの知名度を考えると小さすぎます。
が、『ラスト・ワルツ』の経験から、失敗は無いと確信していたか強く出てビーコン・シアターでの撮影が決まりました。

 マーティン・スコセッシは、会場のミニチュアを使ってメンバーに説明して打ち合わせしますが、他諸々不満があったバンドは当日のセット・リストを明らかにしません。
俳優じゃなく、監督本人とバンドの打ち合わせで苛立つ監督が作品の一部に使われてるわけです。
他、バンドのスタッフとも揉めます。

「ここでミックに照明をあてる」

「18秒以上あてるとミックが燃えちまうよ」

「燃える?(物理的に)火がつくのか?」

「ええ、火がつく可能性はあるね」


 この小規模なハコでのライブは慈善コンサートと銘打たれ、開始の挨拶に元大統領のビル・クリントンが登場します。
それに先駆け、設営時にメンバーとクリントンが談笑するシーンがあり、この日はポーランドからも要人が観に来ることも触れられています。
SAL01.jpg

一見、「なんだよ、ミック・ジャガーがナイトの称号賜ったり、ストーンズも丸くなったか」と思いますが、クリントン一家と記念撮影した後にキース・リチャーズが一言。

「フン、クリントンはたくさん。疲れた(ブッシュ)」


ウィットに富んだジョークですね。
で、世界の要人も観に来るっつーとフツーなら緊張でガチガチになるかと思いきや、クリントンの挨拶の中、ドレッシング・ルームからエレベーターでステージに向かうメンバーはいつもと同じっつー。
SAL02.jpg

 ステージの幕が上がったとこで、やっと監督にセットリストが渡されます。
一曲目はJumping Jack Flash。
瞬時にマーティン・スコセッシが無数に設置されたカメラに対して指示を出します。
で、全曲通してそーですが、これが編集時にチョイスしたカメラのアングルとかが下手なライブDVDより臨場感満点。音も曲に合わせて不自然じゃねーよーに各パートの音圧を調整しとるとみました。
対立しつつも、バンドもセット・リストを監督のために練ったもんだと思いました。
コアなファンは満足できねーかもですが、ライトなファンの僕は「粋だねぇ」と。
ついでに、蝋人形だと思ってたチャーリー・ワッツが曲の終わりに「ああ、疲れた」とカメラに向かって苦笑するのも。
SAL05.jpg

特に「大昔の曲をやる。俺らでやるのが恥ずかしいから他の奴に歌ってもらったけど」と、ミック・ジャガーが愛したマリアンヌ・フェイスフルに提供した「涙あふれて」を演奏。
続いてSome Girlsを演奏したのが、また。

 ゲスト陣も豪華でして、ジャック・ホワイトは緊張しきりでしたが、個人的に「やっぱ凄ぇよ」と思ったのが伝説のブルース・マン、バディ・ガイ。
SAL06.jpg

おそらく、これが亡くなる前の、最後の演奏映像じゃねーでしょーか。
貧しくて網戸の針金をギターの弦にした彼は、ストラトキャスターで高音域を強調した素晴らしいギターと、古稀を越えたとは思えねー声量の歌を聴かせてくれます。
多くのブルース・マンは「ビートルズやストーンズがブルースに着目していなければ、表舞台に出られなかったろう」と思ってるよーですが、流石にガキん頃、手本にした大御所にキース・リチャーズもロン・ウッドも緊張しながら演奏しとります。クリントンには緊張しねーくせに。
あと、クリスティーナ・アギレラも登場しますが、かなり頑張ったんじゃねーでしょーか。
思い切りの良さがうかがえました。
SAL07.jpg

 他、曲と曲の間に、過去にTV等で収録されたインタビューやらが挿入されとりますが、ライブの臨場感を阻害するよーなもんじゃねーです。
印象的だったのは、クスリでミック・ジャガーとキース・リチャーズが投獄された際、独房が隣だったよーで、ミックが「もうおしまいだ」と弱音を吐いたらキースが「バカヤロウ!諦めるな!耐えろ、耐えるんだよ!」と一喝した逸話ですかね。
キース本人はツンデレと言いますか、自分が答えるインタビューは人を小馬鹿にしたテケトーなもんなんですけどね。
SAL03.jpg
SAL04.jpg

 ライブのハイライトに、やはりというか「悪魔を憐れむ歌」が演奏されます。
ここでミック・ジャガーがステージじゃなく、会場のエントランスから眩い照明を浴びて客席を練り歩きながら登場します。
SAL08.jpg

おそらく、ここが「火がつく可能性がある」っつーとこなんでしょーか。ステージに上がったミックが「おい、尻が熱くて仕方ねえ!」と言ってますから。

 かくして、畳みかけるよーに代表曲を連発して終演するんですが、裏口からリムジンにメンバーが向かう際、ファンに混じってマーティン・スコセッシが「来い!来い!はやく出てこい!」と促してリムジンに乗り込みます。
俳優を実在の人物に見立てたもんなら「勘弁してくれ!」なシーンですが、「映画の大御所とポップ・ミュージックの大御所における体当たりの勝負」っつー印象を受けました。

 しかしながら、コアなファンはこの作品をどー評価してんすかね?
映画作品としたら『ラスト・ワルツ』に及ばねーでしょーが(あれは最後のライブだったからなあ。)、ライブ作品としては秀逸だと思います。
この手のドキュメンタリーとライブ作品としての二面性をもったもんに、アイアン・メイデンの『フライト666』がありますが、これ未見なんで今度観てみよーかと。
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コメント

  1. EVe | URL | -

    この人達も歳取ってからの方が素敵
    老いてますます盛ん...てカンジでしょうか
    ミュージシャンのドキュメンタリー映画だと
    『ブエナビスタ,ソシアル.クラブ』
    『ライトニング.イン,ア,ボトル』
    もオススメです

  2. ハンク | URL | -

    Re: タイトルなし

    > この人達も歳取ってからの方が素敵
    実は裏じゃ真摯みたい。
    エアロスミスと来日がバッティングしたときに、ストーンズのが動員数が少なくて、ラーメン屋にいたファンに「なんで動員数が減ってると思う?」とミック・ジャガーが質問したり。
    なので、表向きはテキトーに見えて、歳の取り方が上手いのはそういった努力を惜しまないからかな、と。

    『ライトニング~』も凄いよね!
    ブルースの映像作品で「入門作は?」と問われたら迷わず薦められるっつー。
    『ブエノビスタ~』は、中南米やキューバン・ミュージックが好きな奴と一緒に観て、集中できなかったんで、今度改めて観てみますぅ。

  3. ミック | URL | -

    僕がミックと呼ばれたのはもう一つ理由があります。唇が薄くないので当時下唇をミック・ジャガーみたくやったのもキッカケですよ。
    前にスタジオ入った後に公園で、間近でハンクさんのお顔を見たらEXILEのダンサーの、、名前忘れたけど(最初からいるメンバーの)ソックリでしたね。 顔のタイプは同一ですよ多分ね。

    ~真っ白い部屋=閉鎖病棟~ さあ、闘え

  4. ハンク | URL | -

    Re: タイトルなし

    > 下唇をミック・ジャガーみたくやったのもキッカケですよ。
    あ、それは知り合う前だな。記憶にない。

    > EXILE
    ああ、あの後一人ずつチェックしたよ。
    確かに「骨格がほぼ同じだな」と思った(笑)

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