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ええ、フィル・ライノットが好きなんです。

2010年06月11日 17:35

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。

あー、僕が好きなバンドって、日本じゃ人気ねーです。

例えば「んー、ドアーズ、フランク・ザッパ、ルー・リード」と答えると「気取りやがって」みてーな目で見られることがあるんで、間にレインボーやレッド・ツェッペリンとかロック・ファンなら誰でも聴いたことがあるバンドも挟みます。

で、そんな「なんで日本で人気がないのか」っつーバンドの一つがシン・リジィです。

シン・リジィもとい、リーダーのフィル・ライノットの功績はデカいです。

フォークじゃなく、ロック・バンドとしてアイルランドから海外でヒットした第一人者かつ、U2をバックパップし彼らの相談に乗った、ジャンルにとらわれないミュージシャンとの交友関係等々。



 後追いなんで憶測ですが、多分日本で一番売れたアルバムは『サンダー・アンド・ライトニング』です。

これ、ギターにジョン・サイクスを迎えて、パンク調のメタル曲やらが満載なんで、取っつきやすいこともあり。

なので、過去の作品は物足りないと感じファンが根付かなかったのか、と。

また、その過去の作品も、評論家が同時期にヒット作を出したバンドを一括りにして(英ハードロックの三羽烏。)語ってしまったんで、ハードロックが好きなファンしか聴かなかったこともあるかと。

で、ハードロック=ハイトーン・ボイスのヴォーカルっつーイメージがありまして、ヴォーカル兼ベースのフィル・ライノットは、甘ったるい中低音で声域も狭かったことから「もっとダイナミックな歌なら...」と思ったしとも多いと思います。



 フィル・ライノットは、アイルランド人の母親と、兵士として駐屯していたブラジル系黒人の父親との間に生まれました。

しかし、父親は誕生前にアイルランドを去り、貧しい故に母親は働きに。

そのため、祖母であるサラに預けられました。

少年時代のライノットは、西部劇映画やエルヴィス・プレスリーに多大な影響を受け、晩年は音楽性を変遷させつつもその影響は薄れませんでした。

西部劇からの影響は、マイナー時代のBuffalo Girl、メジャー時代のCobowy Song等に、エルヴィスからの影響はマイナー時代のThe Rocker(死後、彼の愛称になったと聞く。)、メジャー時代にシングルで発表したLittle Darling等で見受けられます。

特に「ロックンローラーとはかくあるべし」に拘っており、「ヤツらはデンジャラス」の終盤、フェイド・アウトするところで「俺はロックの王様だ」と呟いているのが聴き取れます。

因みに、祖母に捧げた曲がマイナー時代にあり、祖母の名をタイトルにしてます。また、愛娘にも違った綴りでサラと名付け、彼女の名をタイトルにした曲があります。



 日本じゃ人気はねーものの、海外、特にヨーロッパじゃ今でも根強い人気のよーです。

バンドの作品だけじゃなく、フィル・ライノットの詩人としての一面も。

ドアーズもといジム・モリソンもそーですが、ヨーロッパで人気のアーティストって詩人としての一面も持ってるしとが多いみてーですね。

日本だと訳詞を読んでもピンとこねーですしね。

たとえば、ドアーズのThe Changelingは、発達障害や未熟児として生まれた子を、妖精界の赤ん坊とすり替えられたっつー民間伝承のことですが、地域によって詳細が異なります。

ジム・モリソンは、民俗学の入門書でもあるジェイムズ・フレイザーの『金枝篇』を始め、シャーマニズムやその手の本を「何ページの何行目か」まで即答できるほど熟読してたんで、歌詞の内容を完全に理解することは困難です。

『金枝篇』は筑摩学術文庫からダイジェスト版が出版されましたが、それとてドストエフスキー以上の分厚さです。

ええ、僕ね、以前、ジム・モリソンについて何回にも分けて書いたとき、買って読みましたよ。

あとね、ある娘っこが「シャーマニズムについて論文を書きたいが、何を読んだらいいか?」と聞いてきました。

僕ぁ「これとあれと、もし図書館にあればあれも」と教えてあげたら、その論文はなんか賞をもらったそーです。

「ありがとうございました!」とメールを貰い、「じゃあ、一発お願い」と返信したんですが、お礼はいただいておりません。

話を戻しましょー。



 シン・リジィがメジャーな存在になったのは、パブで歌われてたWhiskey In The Jarを牧歌的なロック・アレンジで発表、アイルランドだけじゃなくイギリス中でヒットしてからです。

このバージョンはメタリカもほぼ忠実にカヴァーしてます。

でも、本来はみんなで手拍子しながら歌うアップ・テンポのトラッド・ソングみてーですが。

これを機に、現在、代表作と呼ばれるアルバムをリリースしてくんですが、そこはかとなくアイルランド民謡のエッセンスをちりばめたり、アルバム『ブラック・ローズ』のタイトル・トラックに至っては、アイルランドのワルツなんかを取り入れた大作を披露してます。ユニークですね。

でも、実は、マイナー時代のがユニークな曲が多いです。

初期から亡くなるまでの代表曲及びシングルのみの曲、デモ曲を収録した四枚組の『ヴァガボンド・ウォリアー・キング・エンジェル』で聴けますが、アフリカンなビートを取り入れたシングル曲とかもあります。

てか、初期のアルバムのが実験的で聴いてて勉強になります。ハードロック・バンドって先入観捨てれば。

あと、娘に捧げた曲はボサノヴァ・ビートが根底にあります。

この、アフリカ音楽やブラジル音楽の要素を取り入れたのは、父親への想いがあったからだと思います。



 フィル・ライノットのミドル・ネームはパリス。

ミュージシャンとしてから、会いに行ったものの所在がわからず対面できなかった父親の名前がパリス。

以前、マルチ・ミュージシャンであるヤススキイさんと話したおり、音響関係をつとめてた番組『サラリーマンNEO』にて、セクシー部長のテーマに、フィル・ライノットと親友のゲイリー・ムーアが共作した「パリの散歩道」が使われたことに「なんでセクシー部長にあれやねん!意味わかっとんのかっちゅーね」と選曲に憤慨しとりました。

この「パリの散歩道」、フランスのパリと、自分と父親の名前でもあったパリにひっかけてるんです。(英語読みはいずれもパリス。)

「俺は覚えてるよ、1949年のパリを」っつー出だしは、自身の出生と会いたくても会えなかった父親への想いを込めたフレーズです。

そのため、シン・リジィのベスト盤にもバンドの曲じゃねーのに収録されとりますし、共作したムーアも重要なレパートリーとしてライノット亡き後も演奏しとります。



 自業自得と言われればそれまでですが、フィル・ライノットはブレイクする以前からグルーピーを両脇に抱きかかえライブ・ハウスに入ったり、薬物依存で素行に問題がありました。

もし、それを更生することができれば、再び活躍の場が巡ってきたかもです。

でも、ま、「ロックンローラーとは、かくあるべき」っつー愛すべき馬鹿には無理な話だと思いますが。

そのサイテーな反面、自分で出来ることは他人任せにしねーっつー完璧主義なとこもあったそーです。放蕩三昧でも音楽に対して妥協しなかったことも寿命を縮める原因の一つだったんでしょーねぇ。

また、ジャンルが異なれど若手が面白いことをやってると、見返り無しにすぐ顔を突っ込む傾向があり、SEXピストルズと共演したりしとりました。

個人的には「ハードロックじゃなく、元々の本質的なとこを聴けば佳作じゃねーの?」と思ってる『チャイナ・タウン』発表にともなう来日公演にて、急遽脱退したギタリストの代役に「ピストルズのメンバーに参加してもらう」と言ったら、招聘側の日本から「イメージが異なるし、パンクにシン・リジィの名曲が弾けるわけない!」みてーに却下されたっつー話を読んだことがあります。

でも、社交辞令かもですが「当時のロンドンで、パンクスでもシン・リジィの代表曲を弾けないギタリストはいなかったよ」っつーコメントも目にしたことがあります。

確かに、シン・リジィのキャッチーな曲って英国産パンクに影響を与えた印象を受けます。



 いつ、どこで感染したか分かりませんが、フィル・ライノットはヘロインをポンプした際に雑菌が体内に入り、敗血症を患い、これが致命傷になり1986年に亡くなりました。

去年、僕の親父どんが敗血症を患ったんですが、これは抗ガン剤で免疫力が低下しているところに大腸菌が尿路感染を引き起こしたっつーもんで、抗生物質による治療で完治しました。

フィル・ライノットも、過去の様々な薬物依存や過労で免疫力が低下していたから患ってしまったのかもしれんです。

1980年代に根治できる治療法があったか不明ですが、自己回復しても根治しねーと何度も発症し、その度に内臓の機能を低下させる故、彼の死因は残念でなりません。
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コメント

  1. kouta | URL | 79D/WHSg

    1 ■はじめましてー^^

    ロックへの愛
    そして何より、フィルへの愛が伝わってきました!

    自分は、ゲイリームーアが好きで、そこからシンリジィを聴き、フィルを知ることとなりました。

    4月にゲイリーが21年振りに奇跡の来日を果たした際、大阪公演に行ってまいりました。
    やっぱり生の「パリの散歩道」は泣けます><
    フィルの魂と共鳴しているようでした。。。

  2. ハンク | URL | 79D/WHSg

    2 ■Re:はじめましてー^^

    あ!送信したのにレスが反映されてない!

    ゲイリーは、ギター弾き始めの頃お世話になりましたねぇ。
    奇数連符じゃなく、偶数連符を練習するのにEnd Of The WorldやDirty Fingerは音の教科書でした。

    僕、作曲・編曲を学びはじめてから気付いたんですが、「パリの散歩道」ってバッキングのアルペジオが凄い凝ってるんですよね。
    しかも、あのフィードバック!
    ハードロックやメタルのファンだけに聴かせるのは勿体ないっつー。

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