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隠れた名ドキュメンタリー『ニューヨーク・ドール』

2010年06月09日 19:53

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。

あー、先日、「プロ・ミュージシャンって大変な商売だと思います。そこに至るまでも」と書きました。

特に海外です。

どっかプロダクションに所属してて、毎月決まった収入があったり、それプラス売り上げが入ってくるとかじゃねーです。

売れても無知ゆえにサインした契約書のせいで活動さえできねーしともいます。

キャプテン・ビーフハートとかそーです。親友であったフランク・ザッパによると、後先考えずにサインしまくったもんだから、制約で音楽活動ができねーまで雁字搦めにされて、なんでも絵を描いて余生をおくっとるそーです。



 一定の国で売れても生計を立てられず、副業をしとるしともいます。

楽典に精通、機材も使いこなせるしとはTVやラジオのBGMやらジングル作成をオフ時に行ってたり、また、技巧派のしとは講師をやったりしてます。

なので、「あの人、今、何やってんだろうね?」っつーと、運良く会計士の資格持っててそれを本業にし、再結成だので声がかかるのを待っとるしともいます。

更に、プロである以上、客を楽しませられなきゃならんです。

会計士の格好して楽器持ってステージに出てきたら「おい、客がゲリラってるぞ!」とブーイングです。

そーです。ファンが知っている、求めている風貌やオーラを身にまとってステージに上がらなきゃならんのです。



 僕ぁ、ガキの頃はロックっつーとメタルから入ったクチですから、ニューヨークドールズに思い入れはありません。精々、中学の頃、ジョニー・サンダースが亡くなり、追悼本やいくつか音源聴いた程度です。

で、そんな僕に、職場のしとが結構前にニューヨークドールズのDVDと再結成CDを貸してくれました。

「CDはともかく、メンバーのドキュメンタリー映画なんて、楽しめっこねーよ」と思いました。

で、上述のことを痛感したのです。



 DVDのタイトルは『ニューヨーク・ドール』。

オリジナル・ベーシストであった、アーサー”キラー”ケイン(貸してくれた方曰くキラーは、凶暴な音故のあだ名だが、全然フツーとのこと。俺もハンキー”バナナ”ハンクと改名しようかと思う。)が主人公です。

で、あらすじやらからファン向けの作品と思うのも仕方ねーもんで、現在廃盤です。レンタルで置いてるかもですが。

なので、ネタバレで書きますんで、万が一、熱狂的ファンで未見の方は以下は読まねーでください。



 ニューヨークドールズ分裂後、他メンバーは成功したものの、ベースのアーサー・ケインだけはドールズの名前を語っても何しても成功しない。(上述の方曰く、ケインに関しては映画では触れられていないダーティなエピソードが結構あるとのこと。)

んで、音楽以外で舞い込んで来た仕事っつーと、映画への出演。

「ははぁん、ドールズのファンだな?役者も悪くねえな」と出てみたら、夫婦揃って画面の端っこに誰も気付かれねーよーなエキストラ。嗚呼。

で、酒と煙草の量が増えていく日々。そんなある日、TVで観てはならねーもんを観てしまいます。

決別したヴォーカル、デイヴィッド・ヨハンセンが映画『3人のゴースト』の主要な役として出とるじゃねーですか!

「俺はエキストラでアイツは主役クラス!なんでだあぁ!!」

怒り狂ったケインは、酒を大量に煽り、カミさんに暴行。さすがにビンボー生活と荒んでいくケインに愛想を尽かし、即「実家に帰らせていただきます!」。

で、カミさんが出てった後、衝動的に三階から飛び降り自殺。

が、植木鉢がクッションになって全治一年の大怪我で死ねなかったという。



 治療中、彼は聖書等と読み、ひょんなことでモルモン教に入信することを決めます。

日本人の感覚だと「金はある。欲しいものも手に入れた。でも、この救いようのない不安はなんなんのか?」と新興宗教に入信して、ガッポリお布施をする傾向があります。(実際周囲にいた。)

でも、欧米だと、古くからある宗派でも、新興でも、苦しいときに新しい新興を得ようとするみてーに感じました。



 アーサー・ケインが奉仕することになったのは、「家族の記録センター」なる「この人は今どこにいて生きてるか死んでるか」とかのデータを管理する施設の仕事でした。

スターダムにいた頃は、滞在先のホテルの廊下までグルーピーが寝っ転がってたっつーのに、爺さん婆さんがやる仕事です。

宗教上の奉仕ですから、生活も困窮状態です。

スターとしてのオーラが消失しちまいました。



Soul Kitchen(仮)




Soul Kitchen(仮)




 奉仕の最中、整理していた記録にて、テメーの父親がとっくに亡くなっていることも知り「なんて俺はバカだったんだ!」と。

そんな矢先、モリッシーが提案した「残ったメンバーだけでもいいからニューヨークドールズを再結成し、イベントに出演させたい」っつーお話が。

されとて、困窮した生活でベースも質に入れてます。困った。

ほいだら、施設の仲間らが僅かながらも援助してくれてベースを手にすることができました。うっ、泣かせる!

すっかりベースが弾けなくなったものの、信仰心によって熱心に練習し、リハーサルに挑むことになりました。



 スタジオで、メンバーやエンジニアからアドバイスを受け、音作りや練習をしているとこに、憎きデイヴィッド・ヨハンセンがくわえ煙草で登場。

このシーンでの両者の表情がおもれーです。

ヨハンセンは「大昔のこと。さ、段取りするか」とmac bookで歌詞等をチェック。ケインは、握手こそすれ、ついつい憎しみと妬みを込めた目でヨハンセンを見ちまいます。

とはいえ、バンドは順調に仕上がり、本番に向かいます。



 本番前のレセプションにて、会場に向かう途中、後追いのファンに声をかけられとまどったり、企画したモリッシーの挨拶の後、テーブルに乗せられたオードブルの豪華さに驚く等、役者より役者なアーサー・ケインの挙動が観られます。

あと、滞在先のホテルも、それなりのとこだと思うんですが、その設備や窓から見える風景に感激する等、観てるこっちが「よかったねぇよかったねぇ」と。

で、本番直前で、昔の勘が戻ったか、衣装選びで滞在先のホテルのベルマンが着ていたジャケットをチョイスします。これがお似合い。

本番も、昔からのファンや、後追いのファンも楽しませるステージを披露、成功に終わりました。



 再結成は集金目的じゃあなく、新作のレコーディングにも突入します。

これ、彼らに思い入れがねー僕でも「この歳でこれだけやるのも凄いけど、実際良いアルバムじゃん」と思いました。

しかし、ジャケットにアーサー・ケインの姿はありません。

上述のイベント後、帰国直後に体調を崩し、受診したビョーインにて白血病を患っていたことが判明したのです。

長らく気付かなかったのか、判明直後に他界しました。

映画は、冒頭の辛気くさいオッサンとは別人の笑顔になったケインがブルース・ハープで聖歌を演奏し「アーメン」と微笑んで終わります。



 その昔、ヒッピーだった頃のデイヴィッド・ボウイが、橋の上で往年のロックンローラーとすれ違ったことがあるそーです。

ま、有名なエピソードですが、そのスターからオーラが消え失せ、そこらのオッサンに成り果てていたことにショックを受け、ジギー・スターダストを思いついたと言われとります。

ロック・バンドじゃ地味なパートですが、そういった成り上がりと転落を描いた貴重な映画だと思います。『ニューヨーク・ドール』は。
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コメント

  1. Eve | URL | 79D/WHSg

    1 ■★*・

    【ニューヨーク・ドール】
    観てみたいかも…

    って言っても
    メンバーの名前すら知らない
    んだけど。

    でも
    軌道に乗ってキタと
    思ったら難病→急死…とはなんとまぁ…(悲

    それと
    ドアボーイのJKチョイスする
    なんてセンスあるオヤジだね
    中々日本人には
    居ないタイプ?居るとしたら内田裕也あたり?

    ハンキー“バナナ”ハンクへ
    Eveより

  2. ハンク | URL | 79D/WHSg

    2 ■Re:★*・

    僕もですね、故ジョニー・サンダースとヴォーカルのD.ヨハンセンしか知らなかったんですが、DVD貸してくれた人曰く「ファッション関係に精通してた奴らが集まった」とか教えてくれました。
    なので、ホントにギリギリで衣装選びしてるシーンが観られます。「このシャツに、そうだ、あのジャケットだ!」みたいに。
    で、「どうだ、似合うか?」と。
    多分、廃盤になってないモリッシー・プレゼンツの再結成DVDでステージが全部観られます。

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