2010年06月07日 16:32
こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、昨年末からしょっちゅーDVDで映画観てます。
おそらく「話題の作品や名作を観たことが重要な人より、映画ファンと違った視点でも楽しんでいることには変わりありませんよ」と言われたからかも知れません。
でも、高校あたりまでは結構映画館に脚を運んでたんですよ。
何故、観なくなったか?
恐らく、1990年代に、映画のサントラが当時売れてるミュージシャンの曲を寄せ集めたりで、内容よりも曲の宣伝みてーな作品が多くなったからじゃねーですかね。
酷かったのは『バフィー・ザ・ヴァンパイア・キラー』(だっけか?)。娘っこが吸血鬼を退治する、ま、設定からしてスカム臭がしますが、サントラに参加してたミュージシャンが好きだったんで観に行きました。
多分、今観たら、「ウホッ!こらまたおバカ!」と傑作だと思えるかもしれんですが、純情なハンク少年の心を踏みにじった一作です。
ちょっと話逸れますが、『死にたいほどの夜』でニール・キャサディ役だったしとが『バフィ~』に出てるのを知りました。バフィのボーイ・フレンド役でしょーか?
僕、映像に疎いんで、俳優の演技や脚本、そのシーンに流れる曲に注意が向きます。
なので、安易に公開当時売れてた曲を流されると、どんなに「このカメラワークは」とか「このシーンが素晴らしいところは」と解説されてもダミなんです。
安易なサントラは許せんのです。
例えばですよ、『スターウォーズ』の、タトゥイーンのシーンで、あの奇妙な転調を繰り返す曲が無かったらどーか?全然印象が違います。
んなわけで、サントラ収集は趣味じゃねーですが、何枚かお気に入りがあります。
比較的新しいのだと『300』、『ラスト・オブ・モヒカン』はえがったです。
でも、一番のお気に入りは『タクシー・ドライバー』です。
今じゃ録音や編集がテクノロジーの発達で楽になったかもですが、大昔は録音に至まででも、スクリーンに映像を流して、オーケストラやバンドが演奏っつー非合理的な手法でした。
んで、『タクシー・ドライバー』のサントラがなんですげーかっつーとですね、ヒッチコック専任っつーイメージが強いバーナード・ハーマンが、ヒッチコックと決別後の傑作かつ遺作だからです。
監督であるマーティン・スコセッシによると、バーナード・ハーマンは高齢による体力的限界と、病気を抱えてたことで打診を断られたそーです。
が、脚本やらを提示して再度お願いしたら引き受けてくれたと。
で、ここらへんが僕みてーな甘ちゃんで才能もねー奴との違いだと思いますが、バーナード・ハーマンは妥協しねーで作曲に挑みました。
無事録音も完了したその日、彼は亡くなったという。
『レイジング・ブル』みてーに映画にしてよ、スコセッシ。
二十歳の僕ぁ、映画音楽や民族音楽を専攻して学んでたんで、以前から「この映画の曲っていいよな」と思ってた手前、そのエピソードを知って敗北感を覚えたもんです。
お話変わって、「俺は進んで映画を観ない」と同じく「なんで洋楽ばっか聴いてるの?」と不思議がられたり、海外コンプレックスを指摘されたりします。
んなこたぁねーです。
洋楽にしても、元々好きだったメタルも「昔の名盤で十分」と全く違ったジャンルを中心に聴いてますし。
邦楽は、アイドル歌謡以前のもんが多いです。
多分、大晦日に格闘技イベントを放送される以前、まだ上京する前、実家で大晦日はテレビ東京の『年忘れにっぽんの歌』を両親や祖母が観てたからだと思います。
実際、今みてーに海外のミュージシャンや作曲家がどーゆー手法を使ってるのか、事細かくわからなかった時代、作曲家は試行錯誤の末「○○節」っつーもんを編み出してますし、歌い手も修正できねーガチで実力勝負なもんですから、「これは洋楽には無い良さだよね」っつー名曲が沢山あります。
1960~1970年代初頭の、若者向け邦画を観ますと、主人公役のしとが主題歌を歌っとります。
で、石原裕次郎とかみてーに「下手だなぁ」っつーしともいれば「上手い!」っつーしともいます。
個人的に素晴らしいと思ったのは、『野良猫ロック』における力也(元・安岡力也)と梶芽衣子のアカペラです。
力也って僕の世代だと「ホタテのロック」くれーで、嘘発見器に座り、ビートたけしに「ホタテのロックを歌っていたが、夜はアワビを舐めていた」と言われメーター振り切ったイメージしかねーんですが、美声を披露しながら登場するシーンに「笑うとこだけど、歌上手すぎだろ」と。
因みに両者のデュエットは日活のコンピレーションCDで聴けるみてーです。
現在、歌手業一本に絞ってるみてーですが、梶芽衣子の美声は素晴らしいです。
最近BOXセットが出たみてーですが、単体の全曲集なるベスト盤でも十分堪能できます。
で、隠れた名曲もあるでしょーが、今日は『キル・ビルVol.1』でも使われた「修羅の花」です。
僕、『キル・ビルVol.1』を観た後にVHSで『修羅雪姫』観たんですが、そのラストに流れます。
このシーンですね。

DVDで改めて観ましたが、特典としてインタビューが収録されとります。
「男性と違い、女性の着物による殺陣は動きが制限されるため、スピード感を出すことを最優先事項にした」みてーな貴重なコメントが聞けます。
しかし、『修羅雪姫』もぶっ飛んだ映画ですよね。
よく坊さんが説話で「親を目の前で殺された息子に、親が事切れる前に”仇を討てば討った者が仇になる。その繰り返しだ。だから、俺の仇は討つな。ここで禍根を断て”と言いました」てなもんを話したりしますが、主人公をヒットマンならぬヒットウーマンに育てたのが西村晃演じる坊さんですから。
一緒に「へぇ、続編もあったんだ」と借りた『修羅雪姫~恨み恋唄~』もぶっ飛んでます。
白いデスラー状態の悪役を演じる伊丹十三と、貧民窟で荒くれな医者を営む原田芳雄の存在で梶芽衣子の存在感が薄れてますけど。
「国家機密文書」だの「ペストを注射、貧民窟を焼き討ち」とかどんだけやねんっつー。
ともかく、「修羅の花」を聴いてみましょー。ヴァージョンは本家よりクリアな音の『キル・ビルVol.1』版です。
なお、作曲者の平尾昌晃は「ヨコハメ・タテハメ」でお馴染み「ヨコハマ・たそがれ」も作曲しとります。
<梶芽衣子 - 修羅の花>
あー、昨年末からしょっちゅーDVDで映画観てます。
おそらく「話題の作品や名作を観たことが重要な人より、映画ファンと違った視点でも楽しんでいることには変わりありませんよ」と言われたからかも知れません。
でも、高校あたりまでは結構映画館に脚を運んでたんですよ。
何故、観なくなったか?
恐らく、1990年代に、映画のサントラが当時売れてるミュージシャンの曲を寄せ集めたりで、内容よりも曲の宣伝みてーな作品が多くなったからじゃねーですかね。
酷かったのは『バフィー・ザ・ヴァンパイア・キラー』(だっけか?)。娘っこが吸血鬼を退治する、ま、設定からしてスカム臭がしますが、サントラに参加してたミュージシャンが好きだったんで観に行きました。
多分、今観たら、「ウホッ!こらまたおバカ!」と傑作だと思えるかもしれんですが、純情なハンク少年の心を踏みにじった一作です。
ちょっと話逸れますが、『死にたいほどの夜』でニール・キャサディ役だったしとが『バフィ~』に出てるのを知りました。バフィのボーイ・フレンド役でしょーか?
僕、映像に疎いんで、俳優の演技や脚本、そのシーンに流れる曲に注意が向きます。
なので、安易に公開当時売れてた曲を流されると、どんなに「このカメラワークは」とか「このシーンが素晴らしいところは」と解説されてもダミなんです。
安易なサントラは許せんのです。
例えばですよ、『スターウォーズ』の、タトゥイーンのシーンで、あの奇妙な転調を繰り返す曲が無かったらどーか?全然印象が違います。
んなわけで、サントラ収集は趣味じゃねーですが、何枚かお気に入りがあります。
比較的新しいのだと『300』、『ラスト・オブ・モヒカン』はえがったです。
でも、一番のお気に入りは『タクシー・ドライバー』です。
今じゃ録音や編集がテクノロジーの発達で楽になったかもですが、大昔は録音に至まででも、スクリーンに映像を流して、オーケストラやバンドが演奏っつー非合理的な手法でした。
んで、『タクシー・ドライバー』のサントラがなんですげーかっつーとですね、ヒッチコック専任っつーイメージが強いバーナード・ハーマンが、ヒッチコックと決別後の傑作かつ遺作だからです。
監督であるマーティン・スコセッシによると、バーナード・ハーマンは高齢による体力的限界と、病気を抱えてたことで打診を断られたそーです。
が、脚本やらを提示して再度お願いしたら引き受けてくれたと。
で、ここらへんが僕みてーな甘ちゃんで才能もねー奴との違いだと思いますが、バーナード・ハーマンは妥協しねーで作曲に挑みました。
無事録音も完了したその日、彼は亡くなったという。
『レイジング・ブル』みてーに映画にしてよ、スコセッシ。
二十歳の僕ぁ、映画音楽や民族音楽を専攻して学んでたんで、以前から「この映画の曲っていいよな」と思ってた手前、そのエピソードを知って敗北感を覚えたもんです。
お話変わって、「俺は進んで映画を観ない」と同じく「なんで洋楽ばっか聴いてるの?」と不思議がられたり、海外コンプレックスを指摘されたりします。
んなこたぁねーです。
洋楽にしても、元々好きだったメタルも「昔の名盤で十分」と全く違ったジャンルを中心に聴いてますし。
邦楽は、アイドル歌謡以前のもんが多いです。
多分、大晦日に格闘技イベントを放送される以前、まだ上京する前、実家で大晦日はテレビ東京の『年忘れにっぽんの歌』を両親や祖母が観てたからだと思います。
実際、今みてーに海外のミュージシャンや作曲家がどーゆー手法を使ってるのか、事細かくわからなかった時代、作曲家は試行錯誤の末「○○節」っつーもんを編み出してますし、歌い手も修正できねーガチで実力勝負なもんですから、「これは洋楽には無い良さだよね」っつー名曲が沢山あります。
1960~1970年代初頭の、若者向け邦画を観ますと、主人公役のしとが主題歌を歌っとります。
で、石原裕次郎とかみてーに「下手だなぁ」っつーしともいれば「上手い!」っつーしともいます。
個人的に素晴らしいと思ったのは、『野良猫ロック』における力也(元・安岡力也)と梶芽衣子のアカペラです。
力也って僕の世代だと「ホタテのロック」くれーで、嘘発見器に座り、ビートたけしに「ホタテのロックを歌っていたが、夜はアワビを舐めていた」と言われメーター振り切ったイメージしかねーんですが、美声を披露しながら登場するシーンに「笑うとこだけど、歌上手すぎだろ」と。
因みに両者のデュエットは日活のコンピレーションCDで聴けるみてーです。
現在、歌手業一本に絞ってるみてーですが、梶芽衣子の美声は素晴らしいです。
最近BOXセットが出たみてーですが、単体の全曲集なるベスト盤でも十分堪能できます。
で、隠れた名曲もあるでしょーが、今日は『キル・ビルVol.1』でも使われた「修羅の花」です。
僕、『キル・ビルVol.1』を観た後にVHSで『修羅雪姫』観たんですが、そのラストに流れます。
このシーンですね。

DVDで改めて観ましたが、特典としてインタビューが収録されとります。
「男性と違い、女性の着物による殺陣は動きが制限されるため、スピード感を出すことを最優先事項にした」みてーな貴重なコメントが聞けます。
しかし、『修羅雪姫』もぶっ飛んだ映画ですよね。
よく坊さんが説話で「親を目の前で殺された息子に、親が事切れる前に”仇を討てば討った者が仇になる。その繰り返しだ。だから、俺の仇は討つな。ここで禍根を断て”と言いました」てなもんを話したりしますが、主人公をヒットマンならぬヒットウーマンに育てたのが西村晃演じる坊さんですから。
一緒に「へぇ、続編もあったんだ」と借りた『修羅雪姫~恨み恋唄~』もぶっ飛んでます。
白いデスラー状態の悪役を演じる伊丹十三と、貧民窟で荒くれな医者を営む原田芳雄の存在で梶芽衣子の存在感が薄れてますけど。
「国家機密文書」だの「ペストを注射、貧民窟を焼き討ち」とかどんだけやねんっつー。
ともかく、「修羅の花」を聴いてみましょー。ヴァージョンは本家よりクリアな音の『キル・ビルVol.1』版です。
なお、作曲者の平尾昌晃は「ヨコハメ・タテハメ」でお馴染み「ヨコハマ・たそがれ」も作曲しとります。
<梶芽衣子 - 修羅の花>
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コメント
丁稚小僧せら吉 | URL | 79D/WHSg
1 ■どっかで聞いたような歌詞だと思ったら
作詞が小池一雄じゃないですか(wikiに依ると小池一夫の別名だそですね)
この人が書いた「子連れ狼」の歌詞と世界観がかぶるなーと思ったわけだ。
この時代の録音なら、楽器はみんな生だと思うんですけど、尺八?(パンパイプとかサンポーニャみたいに聞こえるんですけど・・・そういう奏法なのかしら?)の枯れた音が耳について離れません。
ぱきぱきぴきんこ・ぱきぴんこ
( 2010年06月07日 17:51 [Edit] )
ハンク | URL | 79D/WHSg
2 ■Re:どっかで聞いたような歌詞だと思ったら
もうね、小池一夫は、『ダミー・オスカー』や『傷追い人』とか、飛び道具に使うマチズモなネタの神様(笑
「死んでいた朝に~♪」って出だしが秀逸だよね。
時代的に尺八で録音したんじゃないかなぁ。それより前の伊藤久男の曲とかと同じ音色だし。
もし、梶芽衣子の歌い方がコブシ効いてたら萎えるけど、この曲は演歌っぽいのにそう聞こえないとこが好き。
( 2010年06月07日 18:06 [Edit] )
Eve | URL | 79D/WHSg
3 ■梶芽衣子
私もスキ
まさに“70年代の女”ってカンジです。
タランティーノは
“日本のパム・グリアー”だと大絶賛してました
そーいえば
【GONIN】てゆう邦画の
挿入歌で
ちあきなおみ
の“朱い花”も
梶芽衣子のコレに匹敵する
ぐらい良いデス
( 2010年06月07日 19:34 [Edit] )
ハンク | URL | 79D/WHSg
4 ■Re:梶芽衣子
彼女のどの作品か(着物であることは確か。)失念ですが、監督と打ち合わせしてる写真が特典インタビューに使われてました。
んで、そのプライベートの服装が、スタッド付きジージャンとかで、今でも街で見かけたら「げっ!いい女!」なセンスでした。
>パム・グリアー
ジャッキー・ブラウンの人ですよね?
僕、あれ好きなんですけど、「主役のネーチャンとデ・ニーロの落ちぶれマフィアよくね?」って言うと「あんま面白くないから印象が...」と返され哀しいです。
>ちあきなおみ
youtubeで見ました。
オリジナルじゃなく、歌謡番組のライブですけど。
なんか、曲や歌詞もありますが、マリアンヌ・フェイスフルを思い出しました。
僕、ミック&キースに駄目にされる前より、ハスキー・ボイスになってからの彼女の歌が好きです。
( 2010年06月07日 20:14 [Edit] )
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